契約書の雛形の損害賠償条項が問題となる具体例

300万程度の取引なのに、なんで9000万も損害賠償請求されるの? 

 

さて、このページでは損害賠償の条項について説明させていただきます。

契約書の雛形では、損害賠償の条項はかならず見受けられます。 

 

下記に挙げられる例で説明しましょう。

 

具体例 建築物の売買

 

1、建築物の売買後、建築物の外壁にひびを発見 建物内部にも壁に亀裂が発見

 

2、建物の欠陥が元で、買主は精神的ショックのため倒れる。

 

3、父親の収入が途絶えて生活が苦しくなったために、その子供も進学をあきらめなければならなくなる。

 

4、その子供は優秀で、そのままいけば医者になれる可能性があったのが、それもあきらめなければならなくなる。

 

上記を例にして、建築物の買主が売主に対して損害賠償請求を起こしたとしましょう。


とり壊し費用等を含む再建築費用2000万だけでなく、慰謝料100万円、弁護士費用693万円さらに上記の例の3、4に関する損害も賠償してほしいと主張されたら、建物の売主にとっては脅威です。

 

契約書の雛形でよく見られる損害賠償条項の例

 

甲または乙は、その責めに帰すべき事由により相手方に損害を与えた場合、甲または乙は相手方にその損害を賠償する。

 

契約書の雛形の中で、上記の条文をひと目見ただけだとさらっと読めてしまいます。特に気になる点はないとも思えます。相手に損害を与えたら、加害者(損害を与えた方)は賠償するというのは当たり前のことではないかと感じたのではないでしょうか。

 

しかし、加害者側(損害を与えた方)がこの条項が記載された契約書の雛形を使用した場合、加害者側(損害を与えた方)にとっては悲惨な結果になるかもしれません。

 

すなわち、契約書の雛形によく見られる上記の条項は、被害者が被った損害のすべてを、加害者が賠償しなければならない可能性があります。 たとえ数千万でも数億でも。

 

 従って、上記の建築物の例でいうと、建築物の売主は建築物の買主に対して、すべての損害を賠償しなければならない可能性があります。