代理店契約書作成 ポイント


代理店契約とは、一方当事者が製造・販売している製品について、他方を再販売店に任命するという契約であり、メーカーなどが新規顧客を開拓するためによく利用される様式である。

 

代理店契約書を作成するときは、特に以下のポイントに注意を要する。

 

@消費者への販売価格…独禁法は生産者が小売業者に対し、販売価格を指示することを禁じており、代理店契約において代理店が顧客に対し製品やサービスを販売する際の小売価格はかかる指定禁止に抵触しないよう注意する必要がある。例えばメーカー甲が代理店乙に対し、具体的な価格を指定するのは違法であるから、「乙は適正価格にて販売するものとする」とか「小売価格は甲乙協議のうえ決定するものとする」など慎重な表現が望まれる。

 

A具体的な販売目標値…新規顧客開拓を図る上では重要な条項であり、販売目標を達成できない場合のペナルティも盛り込めればなおよし。

 

B再委託…メーカー側の立場からは原則再委託は禁止したい。認める場合であっても無条件ではなく、例えば「書面による事前の同意を要する」といった条件を併記すべきである。

 

C代理店及び再委託先への立ち入り調査権…代理店に緊張感を持って業務にあたらせるのが目的。

 

D代理店が第三者に損害を与えた場合の処理…この場合は代理店が「全責任」を負うようにすべきである。

 

E販売地域…1地域に1店舗しかおかない代理店契約をクローズドテリトリー制というが、独禁法に違反するおそれが高く避けるべきである。

 

F競業避止義務…契約終了後、代理店がメーカーから得た営業ノウハウを利用して、顧客を強奪するおそれがある。「契約終了後は代理店は本契約における業務と類似の業務をすることができない」という競業避止義務も規定すべきである。